#28 Heineken CM 面白さの理由

このサイトを立ち上げてから、世界各国のビールのCMを「YouTube」で見る機会が増えましたが、数あるブランドの中で質の高いCMを作るのは Stella Artois と Heineken の2社ではないかと勝手に思っています。Stella Artois のCMは、ベルギーらしくフランス映画を彷彿させる笑いのエスプリが利いた出来上がりとなっていますが、Heineken の場合はグローバルなブランドに相応しい、無国籍(多国籍)な印象のバラエティに富んだCMが多いのが特徴です。

 

その Heineken のCMの中で、今一番印象に残っているのが 2011年に作られた"The Date" というCM。ノスタルジックなダンス音楽が強烈で、東南アジアの猥雑な雰囲気を程好く再現した映像とのマッチングがとても面白く、主演?の男女もとても魅力的なキャストとなっています。

ただこのCM、Heineken のオリジナルかと思っていたら、1965年に作られたインド映画 "Gumnaam "がベースになっているようです。音楽はもちろんのこと、映像のトーンや舞台設定などかなりオーバーラップする部分が多いように思えました。見ていてなぜか懐かしい気分にさせられたのは、これが理由だったのかもしれません。ちなみに楽曲のタイトルは "Jaan Pehchan Ho" 歌っているのは "Mohammed Rafi" だそうです。

この映像は "Gumnaam " の冒頭部分ですが、サスペンス映画なのに主人公が陽気に踊りまくるのは、さすがインド映画といったところ。見ていて知らず知らずのうちに引き込まれてしまいます。「恐るべしインド映画」なんですが、調べてみると他にも使われているようです。

2001年のアメリカ映画 "Ghost World" (テリー・ツワイゴフ監督)、ダニエル・クロウズの同名のコミックが原作。タイトルクレジット部分の映像なんですが、これもなかなかです。

映画に使われるようになったのは、原作者のダニエル・クロウズが監督のツワイゴフに、面白いビデオがあると見せたのがキッカケでした。監督もかなり気に入ったようで、即映画のオープニングに使うことを決定。ただ映画のタイトルも何も分からなかったため、テープを映画関係のインド人たちに見せて、ようやく "Gumnaam" に辿りついたそうです。

 

何気なく見て気に入ったCMにもこれだけの物語があったことに少なからず感動を覚えました。また温故知新ではありませんが、才能ある人により昔のフィルムが新しく再生され、さらに人々を感動させるということに、プロデューサーのおちまさとが言っていた「アイデアは記憶の複合体」という言葉を思いだし、思わず頷いてしまいました。

 

なお、"Gumnaam" が気になった人、全編見たくなったら下記URLへアクセス。ただし、英語の字幕だったので、半分で力尽きてしまいましたが。

https://youtu.be/kYlcFJZyo5Y?si=ISgfQAzfrJXBTAHS

 

それでは。