MEANING OF LUSH LIFE


店の名前"Lush Life"は、ジャズのスタンダードナンバー "Lush Life" からいただいたものです。普通に訳すと「豊かな人生」という意味になりますが、この曲では「飲んだくれ人生」と訳するのがしっくりくるようですね。

作詞・作曲はビリー・ストレイホーン。1938年に、ストレイホーンがデューク・エリントン楽団のオーデションを受けた際に、エリントンはこの "Lush Life" を聴いて彼の才能を確信し、そして雇ったというくらい名曲の誉れ高い楽曲です。


この曲はなぜかエリントン楽団ではそれほどメジャーな曲にはなりませんでしたが、1949年にナット・キング・コールがレコーディングしてヒットすると、その後1963年にジョニー・ハートマンがジョン・コルトレーンの伴奏で歌って、さらに有名になりました。

 

酒と女に溺れていく男の生き様が綴られた歌詞、寂しげな曲調と、店の名前にするには若干抵抗がありましたが、「飲んだくれ人生」と「豊かな人生」という二つの意味があることや、語感の響き&自戒の意味も込めて"Lush Life"に決めました。

どちらかというとバーボンやスコッチといったウイスキーがイメージされる曲ですが、IPAやバーレーワインといったアルコールが強めのビールを飲みながら聴くのも、それはそれで中々いいものです。

 

 

"Lush Life"

 

I used to visit all the very gay places

Those come what may places 

where one relaxes on the axis of the wheel of life to get the feel of life...
From jazz and cocktails.


The girls I knew had sad and sullen gray faces with distant gay traces
that used to be there you could see where they'd been washed away
by too many through the day...
Twelve o'clock tales.

Then you came along with your siren of song to tempt me to madness!
I thought for a while that your poignant smile was tinged

with the sadness of a great love for me.

 

Ah yes! I was wrong...
Again,
I was wrong.

Life is lonely again,
and only last year everything seemed so sure.
Now life is awful again, a troughful of hearts could only be a bore.
A week in paris will ease the bite of it, all I care is to smile in spite of it.

I'll forget you, I will
While yet you are still burning inside my brain.
Romance is mush, stifling those who strive.
I'll live a lush life in some small dive... and there I'll be, while I rot
with the rest of those whose lives are lonely, too..

 

 

“ラッシュライフ”

 

以前は娼婦のいる飲み屋によく行ったものだ。あるいは、いかがわしいショーを見せる処とか。そこでは、生活の車輪がもとの軸に収まって、ジャズやカクテルによって生きる力を取り戻すことができ、ホッとしたものだった。


女たちはみな悲しげで、暗く陰気な顔をしていた。顔には濃い化粧のあとが、はっきりと残っていた。
昼間から次々とお客を取っているために、落ちてしまったのだということが誰にでもわかるほどだった。

そこへ君が現れ、私に気が狂わんばかりの誘惑の言葉を囁いてきた。君の笑顔の中にある影は、私へのかなわぬ恋の悲しさに浸っているからだと、そう最初は思い込んでしまうほどだった。


しかし私は間違っていた、

またしても間違っていた。

毎日の生活は、また孤独なものになった。
つい去年までは、何もかも確かなものに思えたが生活がこんなに荒んでしまった。
こんなときは多くの人の暖かい気持ちも、

ただうんざりするだけだ。
パリで一週間ものんびりすれば、その傷も癒ることだろうに。だから私は笑顔を作るように心がけている


そして君のことを忘れよう。
まだ君が私の脳裏に焼きついて燃えている間に、君のことを忘れてやるのさ。

ロマンスなんてものは、毎日の生活と格闘しているようなやつらには、息も詰まるほど退屈な話だろう。

私はどこかの小さな場末の酒場で、やけくそで飲んだくれの人生を送ろう。

寂しい人生を送っている飲んだくれどもと、一緒に酔いつぶれて朽ち果てながら

 

訳:http://plaza.rakuten.co.jp/xxjazz/diary/200611300001/