ドイツはヨーロッパ随一のビール醸造国であり､いまだにその地位は揺るぎません｡国内には素晴らしい醸造所があちこちにあり､輝かしい伝統と共に､野心的な革新性にも満ちあふれています｡ジョッキになみなみとビールを注ぎ､陽気にさわぎ､我を忘れて楽しむ－この国はまさにビールのパラダイスです｡ドイツ国内のビールの嗜好はクラッシックなままで､新しい醸造所でさえ､目新しさを求めるよりもピルスナータイプのビールを製造しています。

  ドイツには､ビールのクラッシックなスタイルが15種類あります｡バンベルクとニュルンベルクのラオホビアから､ケルンのソフトケルシュ（青い前掛けをしたケーベスと呼ばれるウェイターが持ってきてくれます)､ベルリンのヴァイスビアまで､実に多種多様です。

　バンベルクにあるシュレンケルラ－・レストランではヘラー･ブルワリーのビールが提供され､そこの醸造家マサイアス･トルムは､世界最高峰のスモークドモルトビールを醸造しています｡ミュンヘンの北に位置するヴェルテンブルガークロースターでは､若きブルーマスターのアントン･ミラーが､世界的な評価を受けるバロックデュンケルを造っています｡このビールは､カリフォルニア州サンディエゴで2008年に開催されたワールド・ビア･カップにおいて､ダークラガー部門の金賞を受賞しました。