#30 Kona Big Wave / Eddie Would Go

Kona Big Wave Golden Ale

  Bitterness : 20 IBU
  Alcohol by Volume : 5.3%
  Original Gravity : 12.5 P
  Malts : Pale (Premium 2-Row), Honey
  Hops :Northern Brewer, Willamette, Hallertau

ゴールデン・エールは世界的なビール評論家、マイケル・ジャクソンが命名したスタイル。主にラガービールよりも淡い美しい金色をたたえた上面発酵ビールのことをそう呼ぶようですね。その中でもアルコール度数の高いものは、ストロング・ゴールデン・エールと呼ばれ、ベルギーのデュベルがその代表的な銘柄です。

このコナのビッグウェイブ・ゴールデンエールは、他のゴールデン・エールに比べ、フルーティな香りが強く味もまろやか。苦みもほどよく抑えられており、とても飲みやすいビールです。ただコナビール全般にいえることですが、そのラベルデザインのせいか、初めての人はあまり味には期待せずに飲む傾向にあるようです。ハワイ土産の、半分お遊びで造ったビールといった印象を持つんでしょうね。そうすると大抵の人は一口飲んだ瞬間に「おっ、意外と美味い」となって評価も一割増しとなるわけで、僕もその一人でした。なりはチャラチャラしているけど、曲がったことは大キライなビールというわけなんですね。

で、そのラベルですが、ハワイ・ノースショアのワイメア湾のビッグウェイブを、アウトリガーカヌーでライディングしている様子がデザインされていますが、ワイメア湾といえばもちろん 伝説のビッグウェイバー "Eddie Aikau" のことが思い出されます。

エディ・アイカウは1970年代にハワイオアフ島ワイメア・ベイのライフガードとして、またビッグウエィバーとしても大変有名だったハワイアン。冬になると数十フィートの波が押し寄せるサーフィンのメッカ、ワイメア・ベイにおいて、数多くの人を海難事故から救う等、ウォーターマンとしても尊敬を受けていました。

そんなエディでしたが、1978年3月、古代ハワイのカヌーを復元したホクレア号で、クルーとしてタヒチへの遠洋航海に出発しましたが、モロカイ海峡で遭難。船は浸水し通信機器も使えず、運命を天に委ねるしかない状況となったのです。そのときエディは仲間の助けを求めるため単身サーフボードで荒海に乗り出し、そのまま行方不明になってしまいました。

エディのこの英雄的な行動と悲劇的な最後は、後にハワイアンの中では伝説となり、そこから "Eddie Would Go" という言葉が生まれます。意味は「エディなら行くぜ=勇気を出せ。勇敢になれ」。すごくいい言葉ですね。この言葉を知ってからは、心が折れそうなときにはおまじないのようにこの言葉を繰り返すのがクセになってしまいました。先がまだ見えない今、それこそ毎日が不安との闘いですが、"Eddie Would Go" の言葉で何とかしのいでいきたいと願っています。

 

それでは最後に王冠の裏のハワイ語の紹介です。

 "NANI"

意味は "Beautiful" とのことですが、エディ・アイカウの勇気を示唆しているような言葉だったので、ちょうどいい締めになりました。

 

それでは Mahalo!